2014年5月19日月曜日

元・秒速で1億稼ぐ男の戦略

あまりに有名な方のお話なので、ここではお名前を伏せてテキトーに語ってみます。


みなさんも恐らくニュースでご存じのとおり、彼の事業は資金繰りに困窮して倒産の危機に追いやられているそうです。

 倒産を匂わせているとはいえ、事実上倒産も破産もしてないところは誤解してはならないポイントだと思います。
 ですから、それを断定的に報道してしまうメディアのやりかたには強い違和感を覚えます。


うず高く札束を積み上げ、美女をはべらせ、高級外車を乗り回し、高級料亭で大盤ぶるまいするなどの豪遊ぶりがネットやテレビでも取り上げられていましたから、今ごろザマあ見ろとほくそ笑んでいる人も結構いるのではないでしょうか。


しかし悲しいかな、世の中の多くの人びとが思い描くような、裕福で満たされた人生とは、まさに彼のような状況を指していたのかもしれません。
 彼は率先してそのモデルを演じ、賛否両論あれども多くの人びとに夢や希望を与えたことでしょう。


これでもかと言わんばかりの成金趣味は、メディアへの露出を狙ったマーケティングの一つにすぎないことは理解していましたが、それよりも彼が築いたビジネスモデルの方が以前より気にはなっていました。


YouTube で公開されている無料セミナー動画を 3 本ほど視聴したことがあるのですが、ここですぐに気づくことは、彼の頭の回転の速さと、ずば抜けたプレゼンテーション能力の高さです。


これなら最初は懐疑的であっても、彼の話を直接聞いているうちにすっかりファンになってしまったという方がいらっしゃっても不思議ではありません。


オーバーアクションなしで数十分、数時間もぶっ続けでトークを繰り広げ、人の心を掴んで揺さぶるというのは、熟練の演者でもなかなか難しいものです。
 内容はともかく、人前で話す仕事をされている方には参考になる話術の数々が詰まっていると思います。


しかし、よくよく話に耳を傾けてみると、彼の目指すビジネスモデルの全容がビデオからは殆ど伝わってこないのです。

 それを知りたければ高額のセミナーに参加して話を聞きに来いということなのでしょうが、見込み客にとってそのモデルが収益を約束するものでなければ、やはり懐疑的な人間には胡散臭いものに見えてくることは否めないという印象でした。


彼は過去をふり返り、今までのやりかたが間違っていたと反省し、今度は方向性を変えてチャレンジするという内容の記事を自身のブログに投稿しました。

すると、彼のブログはたちまちのうちに社長ブログランキングで一位を獲得し、そしてこれから始まる有料のメルマガにも登録者が続々と集まってきたのです。
 これほど影響力の強い彼がこれから何をしようとしているのかはもうお分かりですね。


「秒速で1億稼ぐ男」というブランディングに食傷気味だった人たちや、彼に対し批判的だった人たちを焚き付け、新たな顧客へと転換していく。

 その目的なくして、自分にとってマイナスにしかならない自虐的な記事をわざわざ投稿するなどという愚行に走ることはないでしょう。
プライベートを切り売りしながら情報発信で稼いでいた人ですから、それくらい何でもないはずです。

 自分ブランドの賞味期限をとうの昔に把握しており、それを完全に削ぎ落とすチャンスを窺っていたとも考えられます。


このようなわけで、まんまと踊らされているのは誰なのか、気づいている人は気づいていることでしょう。
 もちろんそれが悪いと申し上げているわけではございませんので、その辺は誤解なきようお願いいたします。

2014年5月9日金曜日

今日も張り切って名刺だけは持っていこう

取引先相手の業務をしていると、たびたび名刺交換をするシチュエーションがあります。
その際に、名刺を切らしてまして(早い話忘れてきた)と言う方がまれにいらっしゃいます。
社会に出て間もない頃は、名刺は自分の分身のようなものだから、常に持ち歩けと教えられました。
当時はさすがにそこまでは言い過ぎだろうと思ったものです。
しかしながら、氏名、肩書き、連絡先が書かれた紙片はそれ自体が自己表現のアイテムになります。
自分のことを人に覚えてもらうことは、見込み客と信頼の獲得につながります。
たかが小さな紙切れですが、名刺一枚交換しておくだけで、見込み客の心のすき間に入り込むチャンスができます。
一日数人、数十人と名刺交換をしたりすれば、後でその名刺と本人の顔を一度に思い浮かべることはとても難しくなります。
 そこで名刺を受け取ってなかったら、数日も経てば名前すら呼び起こすことができなくなるでしょう。

それを考えれば、名刺を切らしたと言い訳をしている時点で、先方からは一緒に仕事をする気がないと思われてしまっても仕方がないでしょう。
本当に名刺を切らしていたら、すぐに印刷して郵送するくらいの根性を見せれば、先方はそこまでする必要ないのにと思いながらも良い印象を持ってくれたりします。
 さらに、「名刺を後で郵送してきた奴」という情報まで記憶に刻んでもらえるようになります。
新規顧客を獲得する気持ちがあれば、名刺は絶対に忘れないようにしましょう。
 一枚あるだけでチャンスは 0 より高くなります。